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生産管理システムとスケジューラの連携


最近スケジューラについてレクチャを受けました。
折角ですから、この機会にTPiCSとスケジューラの連携を、具体的に考えて見ました。
今回利用するのソフトは、「TPiCS」と「JoyScheduler(以下Joyと略記します)」です。
TPiCSは¥1000でデモ版CD-Rを、JoyはWEB上からデモ版をダウンロードで入手できます。
世の中、安価に試供品が手に入るだから、この2つでやってみようと考えました。
参考までに

株式会社ティーピクス研究所 ホームページ:http://www.tpics.co.jp/
ジェイティ エンジニアリング株式会社 ホームページ:http://www.jte.co.jp/

【注記】本事例は、何か特別な連携ソフトを利用したものでは有りません。
それぞれのソフトでに用意されている「外部データ用入出力(主にCSVファイル)」を、Excelなどのツールで編集したり、場合によっては直接データ入力しています。
すなわち、連携について『ハリボテ式』に検証したものです。
しかしながら、その『ハリボテ式』でデータを回して見ると、実際の導入にあたって必要な事、制限事項が浮かび上がってくるのです・・・これは面白い発見でした。
(本ホームページで使用するソフトウェアの名称に付きましては、各社の登録商標となります。)

1.それぞれのマスターをどう連携させるのか?


これは、なかなか、難しい問題です。
そもそも、生産管理システムで目的とするマスターとスケジューラで目的とされるマスターは異なるのです。
今回は、TPiCSのデモで良く使うABCのうち、製品Aの構成を利用しました(下図)。


しかし、構成を良く見ると、外注工程があります。社外の工程をスケジュールするのも、(Joyの機能としては可能ですが)何かピンと来ませんでしたので、今回の検証で、スケジューラ側の製品構成は、以下の通りシンプルな、A-A2-X(社内工程のみ)にしました。


【雑記】マスターを手つくりしていて、ふと思ったのですが(以前、連携に携わった時もそうですが)、TPiCSとJoy、それぞれのマスター構成は「非対称」なのではないかということです。
これは本編の後の方で、実際に出てきますが、TPiCSのアイテムはマスターは、それぞれ1つの製造担当で、「複数ロケーション」機能を利用して、複数の製造担当に割り付ける構成ではありません。
しかし、Joy(スケジューラ)の方は、3つの担当(機械とか、ラインとか思っていただければ良いと思います)に、能力差を持たせて割付するようにマスター(資源)を組んでいます。
そして、役割を「MRP(TPiCS)」と「プランニング(Joy)」という風に一線を引くと、このような非対称マスターが効果的のようにも思うのです(マスター連携がしづらいですが)。

2.計画策定、データ戻し


まず、生産管理システムから、スケジューラへ渡すデータは何が考えられるでしょう。
@受注
A各工程ごとの納期(最遅計画日)
ではないかと思います、しかし、受注からデータを渡すのには、度胸がいります。
しかし、今回の連携は「@受注」を受け渡します(度胸試しです)。

【注記】以下の画像は2009年4月7日を起点に作成しています。
Joyの受注データテーブルに受注を入力します。


スケジューラで計画策定します(下図)。


Joyには「製造数量集計データ」という機能があります、これは、TPiCSの「生産計画表」と同じように、1日のバケット単位に生産数量を集計して表示します。
意外と面倒な休日の処理もしっかり行います・・・この機能があるので、今回の連携を考える事が出来ました。


あとは、TPiCSにデータを戻して、ここで所要量計算をします(下図、所要量計算後)。


あとは、お決まりの伝票発行、確定処理です(下図)。


当日の実績は「作業着手信号機」などを利用して入力します。
(スケジューラからTPiCSにデータを戻したいという要望を聞いていくと、このオプションの利用を考えている方がいらっしゃいます・・・このオプションの評判は良いですよね。以下の画面を見ると、材料や部品の入荷が無くて着手できないものが「×」表示になっています。)

以上が計画の策定から(計画)データの戻しになります。

3.計画変更、リスケジューリング(再計画)


さて、翌日(ここでは4月8日)になりましたが、新たな受注や、実績入力での差異がなければ、計画は同じになります(下図)。


ここでの、TPiCSへのデータ戻しは省略します。
同じ日のTPiCSを見てみましょう・・・当日分の伝票発行と確定処理をします(下図)。


次に実績入力をしますが、A2は、計画数2000に対して、数量1950しかできなかったとします。
(計対2000、在対1950と入力します・・・下図)


細かいことですが、今回の事例では、(アイテムA2の親にアイテムの)製品Aは、当日必要な数量だけ、(子アイテム)加工A2は生産されているので、そのまま製造着手、実績入力できます。
さて、ここで、検証したいことは、先ほど計画数量分作れなかった、加工A2の不足分を上手く追加計画してくれるかどうかです(・・・いわゆる計画の洗い替え)。

4月9日になります。
今まで利用しませんでしたが、ここで、入出庫データを入力します。

ここでは、該当する品目(TPiCSではアイテムコード)の現在庫数量を入力します。
種別は絶対値(棚卸)です。


再計画をします・・・少し見つけにくいですが、不足のA2が割りついています。


「製造数量集計データ」を見ると、A2の不足分の計画が立っています。


後は、TPiCSへデータを戻せば良いわけです。


4.おわりに


以上、簡単にTPiCS(生産管理システム)とJoy(スケジューラ)のデータ連携を行いました。
今までは、データの受け渡しの段階で、(既に)検討することが多く、なかなか、実際例としてお見せする事が出来ませんでした。
しかしながら、今回は、確かに制約条件はありますが、データの受け渡しと、実績入力による計画変更まで、検証することができました。
そうすることで、新しい問題、検討事項も浮上してきました。
今回の実験は、そういう面でより具体的な部分をお見せする事が出来たのではないかと思います。
また、この検証は、比較的気軽に取り組めますので、連携を考えている方の事前検証には、丁度良いのではないかと思います(TPiCSの平準化で苦労されている方も検討の余地があるかもしれません)
現在、弊社にてTPiCS(生産管理システム)とJoy(スケジューラ)の連携ツールを開発中です。

以 上